埼玉県高校入試で欠席日数は見られない?令和9年度から調査書が変わる話

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この記事のポイント

  • 令和9年度埼玉県公立高校入試から、調査書に「出欠の記録」を記載する欄そのものが廃止される
  • 多少の欠席日数が高校側に知られることはなく、合否判定で不利に扱われることも一切ない
  • 気をつけるべきは欠席日数ではなく、休んだ日の「授業の遅れ」や「提出物」による通知表への影響である
  • 体調不良で授業やテストを休んでも、別課題の提出や自宅学習で成績評価をカバーできる仕組みがある

「うちの子、季節の変わり目に体調を崩しがちで欠席が多いのですが、高校受験で不利になりますか?」——こうした切実なご相談は、学年を問わず多くの保護者の方から寄せられます。

風邪や偏頭痛、お腹の不調などで月に数日休んでしまうたび、「また欠席が増えてしまった」とカレンダーを見てため息をついてしまう親御さんは少なくありません。

結論から申し上げます。多少の欠席があっても、高校入試の合否判定で不利になることはありません。特に令和9年度入試からは、埼玉県の調査書(内申書)から「出欠の記録」の欄そのものがなくなります。

この記事では、埼玉県の最新の入試ルールと文部科学省の方針に基づき、欠席日数を心配しなくてよい根拠と、休んでしまったときに家庭でできる「通知表を守るフォロー方法」を分かりやすくお伝えします。

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EduK編集長

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これまで1,000名以上の子どもを指導し、数多くの逆転合格を導いてきた高校受験のプロフェッショナルです。自身の苦い経験を原動力に、本番で確実に1点をもぎ取る「負けない受験」のための緻密な戦略を提唱しています。埼玉県の複雑な入試制度を紐解き、受験に挑む子どもと保護者の皆様が後悔なく第一志望合格を掴むための実践的なノウハウをお届けします。

 

令和9年度から埼玉県の調査書は「出欠の記録」が完全に廃止される

まず、保護者の方に一番安心していただける埼玉県の公式決定からお伝えします。令和9年度(2027年度)の埼玉県公立高校入試から、中学校が高校へ提出する調査書(内申書)の様式が新しくなります。

比較項目 これまでの埼玉県公立入試 令和9年度からの埼玉県公立入試
調査書の「出欠の記録」欄 中1〜中3の各学年の欠席日数を記載する欄があった 「出欠の記録」を記載する欄そのものが完全になくなる
合否判定(選抜)への影響 体調不良などの事情があれば配慮されたが、日数は高校側に伝わっていた 高校側に欠席日数が伝わらず、合否判定の資料にされることは一切ない
保護者が意識すべきこと 欠席が増えすぎないよう日数を気にする必要があった 日数を気にする必要はなく、無理をさせずに体調回復と家庭学習を優先できる

埼玉県教育委員会も、公式のQ&A(Q11-8:欠席が多いと、選抜の際に不利に扱われませんか)において、「令和9年度入学者選抜より、調査書に『出欠の記録』を記載する箇所はありません。そのため、選抜の資料とされることはありません」と明確に回答しています。

つまり、公立高校の先生は、受験する子どもが中学校で何日休んだかを知ることすらありません。「熱があるけれど、受験に響くから無理してでも学校へ行かせなければ」と親子で追い詰められる必要は、もう一切ないのです。


体調に合わせて自宅で落ち着いて読書や学習に取り組む子どもの様子

 

「欠席すると内申点が下がる」と誤解されてきた本当の仕組み

では、これまで保護者の間で「学校を休むと内申点が下がる」と言われてきたのは何が原因なのでしょうか。ここを正しく整理しておくと、ご家庭で気をつけるべきポイントがはっきりと見えてきます。

✕ よくある誤解 ◯ 実際の通知表(内申点)の仕組み
欠席日数で自動的に減点されるという誤解
「年間〇日休んだから通知表の評定が1下がる」というように、欠席日数そのものが内申点から直接引かれると思っている。
休んだ日の「未提出・テストの抜け」が原因
欠席日数での直接減点はない。休んだ日に配られたプリントの未提出や、授業を聞けなかった単元のテスト失点が評定に影響している。

これまでも、そしてこれからも、中学校の通知表(9教科の5段階評定)は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点だけで決められます。ここに「出席日数点」という項目は存在しません。

しかし、体調不良で学校を休むと、その日の授業ノートが空白になったり、配られた課題プリントの存在を知らないまま提出期限を過ぎてしまったりすることがあります。「休んだこと自体」ではなく、「休んだ日の学習や提出物が抜けてしまうこと」が通知表に影響していたというのが本当の仕組みです。

 

体調不良で休んだときに「通知表の評価」を守る3つの家庭フォロー

現在、文部科学省の通知(学校教育法施行規則の改正等)により、欠席中に行った学習の成果を成績評価に反映できる仕組みが全国的に整えられています。これは長期欠席の子どもだけでなく、「風邪や体調不良でテストや授業を休んだ子ども」にも柔軟に適用されます。

体調を崩して数日休んでしまったときでも、以下の3つのフォローをご家庭で行うだけで、通知表の評価をしっかりと守ることができます。

場面・タイミング 通知表の評価を守るための具体的なアクション
1. 授業を休んだとき 元気になってから、休んだ範囲の「学校ワーク」や「配布プリント」を自宅で解き、登校した日に教科担任の先生へ見に行く。
2. 実技テストや小テストを休んだとき 「別日の再テスト」や「代替レポート・別課題の提出」で評価してもらえないか、担任や教科の先生に相談する。
3. 教室に入りづらい日があるとき 無理に教室へ入らなくても、別室(校内教育支援センターや保健室など)で自習や課題に取り組めば、登校・学習成果として評価される。

 

1. 休んだ日のプリントとワークの範囲を必ず確認する

体調が回復して登校できるようになったら、まず「休んでいた日に配られたプリント」と「授業が進んだページ」を確認します。最近の公立中学校では、1人1台端末(タブレット)に授業の板書や連絡事項が共有されていることも多いため、自宅からタブレットで確認するのも有効です。

休んだ範囲のワークを自宅で埋めておくだけで、授業の遅れを取り戻せるだけでなく、先生に対しても「休んでいた分の勉強を自分でやり切った」という高い意欲(態度評価)を示すことができます。

 

2. テスト当日に風邪で休んだら「別課題」をお願いする

文部科学省の通知でも、「ペーパーテストや実技テストの日に風邪で欠席した子どもが、欠席中や回復後に行った別の課題の提出をもって成績評価を行うこと」が明確に認められています。

体育の実技テストや小テスト、定期テストを体調不良で休んでしまった場合は、「0点になってしまう」と諦める必要はありません。保護者から担任の先生へ連絡する際に、「体調が戻ったら、代わりの課題やレポートを出させていただけますか」と一言添えるだけで、先生側も評価の材料を確保できるため非常にスムーズに対応してくれます。

 

3. 別室登校や端末を使った学習も立派な「評価対象」になる

「体調が万全ではなく、朝から1日ずっと教室にいるのがしんどい」という日もあるはずです。そのような場合でも、校内の別室(校内教育支援センターや相談室など)で先生の指導を受けたりプリント学習を行ったりすれば、学校に登校しているものとして正当に成績評価を受けることができます。

※なお、年間30日以上の長期欠席や不登校の状態にあるお子様が、フリースクールや自宅のICT教材を活用して出席扱い・成績評価を受けるための具体的な手続きについては、別記事にて詳しく解説します。


休んだ日の授業範囲をノートとワークで丁寧に復習する様子

 

私立高校の個別相談(確約)における欠席日数の見られ方

公立高校の調査書から出欠の記録がなくなる一方で、「併願で受ける私立高校の個別相談では欠席日数はどう見られるのか」と気になる保護者の方も多いはずです。

私立高校でも「多少の欠席」はまったく問題にならない
埼玉県の多くの私立高校では、個別相談の基準として「年間欠席〇日以内(例:各学年10日〜15日以内など)」という目安を設けていますが、年に数日〜1週間程度の風邪や体調不良による欠席であれば、基準に引っかかることはまずありません。
体調不良や通院の事情がある場合は「事前相談」でクリアできる
もし偏頭痛や起立性調節障害、怪我や入院などで欠席日数が少し多くなってしまった場合でも、秋の個別相談会で「現在は回復しており、高校通学には支障がないこと」や診断書・中学校からの説明書を添えて直接伝えれば、柔軟に配慮してくれる私立高校がほとんどです。

 

まとめ|欠席日数を数えるのをやめ、体調管理と日々の学習に集中する

子どもが体調を崩して学校を休んだとき、親として一番つらいのは「体の心配」と「受験への心配」が同時に押し寄せてくることです。しかし、令和9年度からの埼玉県の入試制度では、調査書に出欠の記録は一切記載されません。

ご家庭でこれから大切にしていただきたい3つのポイントを整理します。

  1. 体調が悪い日は「受験に響くから」と無理をさせず、まずは心と体をしっかり休ませる
  2. 元気になったら、休んだ日の配布プリントや学校ワークの範囲を確認して自宅で取り組む
  3. テストや実技を休んでしまった場合は、代わりの課題やレポートを提出できないか先生に相談する

「休んだ日数」を数えて不安になる必要はもうありません。休んだ日はゆっくりと体を休め、元気な日に自分のペースで課題を積み重ねていけば、通知表も受験本番の得点力もしっかりと守ることができます。

埼玉県の新しい入試制度は、一人ひとりの子どもの頑張りを温かく評価してくれます。欠席日数への不安を手放し、お子様のペースを大切にしながら希望の進路へ向かって親子で明るく進んでいきましょう!

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