埼玉県|令和9年度「全員面接」とMy Voiceのすべて

この記事は約10分で読めます

令和9年度の埼玉公立入試から、全員が面接を受けるって本当なの。新しく始まる「My Voice」って一体何を話せばいいの。EduK編集長です。令和9年度(2027年2月実施)入試から、すべての公立高校で「全員面接」が一斉導入されます。さらに面接の冒頭には、My Voiceと呼ばれる自己表現の時間が設けられる、全国的にも珍しい入試に生まれ変わります。この記事では、埼玉県教育委員会が発行した公式資料をもとに、新しい面接の仕組みと、今からできる準備をお伝えします。

この記事のポイント

  • 令和9年度からは、学校選択問題を採用するトップ校を含む全校で面接が実施される
  • 面接冒頭のMy Voiceでは、話し方ではなく「何を考えてきたか」が見られる
  • 輝かしい実績がなくても、日常の気づきを言葉にできれば十分な準備になる

令和9年度入試から「全受検生に面接」を実施

埼玉県教育委員会が公表した決定事項によると、令和9年度入学者選抜(2027年2月に実施、主に令和7年度の中学校2年生が受検する入試)から、すべての受検生に対して面接が一斉実施されます。学校選択問題を採用するトップ校を含む、すべての公立高校(全日制課程等)が対象です。

参考:令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜に関する情報(埼玉県教育委員会)
https://www.pref.saitama.lg.jp/f2208/nyushi/r9nyushijyoho.html

新しい面接制度の基本的な仕組みは次のとおりです。日程は学力検査(筆記試験)の翌日にあたる令和9年2月26日に実施されます。形式は個人面接または集団面接で、志望する高校によって異なります。各高校の選抜実施内容の詳細は、令和7年12月に暫定版、令和8年5月に確定版が公表される予定です。面接委員は各高校の教諭等が担当し、2人以上の複数人で受検生1人(または1グループ)を評価します。

また、受検生は出願時(令和9年1月26日〜2月9日)に、自己評価資料を自ら作成して提出します。これは中学校生活を振り返り、頑張ったことや将来の夢などを自分の言葉で書き込むもので、自筆のほかコンピュータでの作成も認められています。この資料は面接の補助資料として使われるもので、文章や文字の上手い下手が評価に直結することはないとされています。

 

面接冒頭の自己表現「My Voice」とは

面接に向けて自分の考えを整理している中学生の様子

今回の入試改革で、最も受検生を驚かせているのがこのMy Voiceというステップです。従来の高校入試面接は、面接官からの質問に受検生が答える一問一答形式が一般的でした。しかし埼玉県の新しい面接では、入室直後の最初の時間に、まず受検生が自分自身のことを自由にプレゼンテーションする時間が設けられます。教育委員会はこの時間を「My Voice、自分の思いを自分の言葉で表現する」と名付けています。

パート①:My Voice(1分30秒〜2分程度)

受検生が、中学校生活や学校外での活動を振り返りながら、自分の言葉で経験や将来への思いを伝える時間です。話す内容に正解はありません。部活動や委員会でのエピソード、日々の生活で心が動いた瞬間、高校で挑戦したいこと、将来の夢など、自由に話して構いません。志望理由は必ずしもMy Voiceに含める必要はないと明記されており、型にはまった志望動機を無理に詰め込む必要はありません。

パート②:質問・応答(3分30秒〜6分程度)

My Voiceのプレゼンが終わると、面接委員からの質問タイムに移ります。質問は、受検生がMy Voiceで語った内容に対して行われます。ここでも、完璧な回答をスラスラ答えることより、自分の考えの背景にある思いを自分の言葉で一生懸命伝えることが評価されます。

 

誤解しないで、埼玉公立新面接の評価基準

人前で話すのが苦手だから評価が下がるのではないか。輝かしい部活の実績や資格がないと不利になるのではないか。こうした不安に対して、教育委員会はQ&Aで明確に回答しています。

誤解①:話し上手が有利になる?

面接は、話の上手さや正確さを評価するものではないとはっきり示されています。緊張して言葉に詰まったり、表現がぎこちなくなったりしても、それによって評価が下がることはありません。大切なのは話し方のテクニックではなく、何を考えてきたか、どんな思いを持って伝えようとしているかという内面と姿勢です。

誤解②:輝かしい実績がないとダメ?

部活動で県大会に行った、生徒会長をやっていた、英検2級を持っているといった実績そのものは評価の対象外です。資格の賞状などを面接室に持ち込むことも禁止されています。評価されるのは、その実績に至るまでの過程、なぜそれに取り組んだのか、どんな気持ちで続けてきたのか、そこから何を学び高校でどう活かしたいかという部分です。日常の些細な工夫や、失敗・悩みから得た気づきこそが、大きな評価ポイントになります。

誤解③:細かく点数化されて順位がつく?

各高校は、事前に定めた評価基準に基づき、観点ごとに3・4・5の3段階を基本として評価を行います。自分の言葉で語ろうとする姿勢がしっかり見られれば基準の3となり、さらに学びに向かう力や主体性が際立って優れている場合に、上位の評価が検討される仕組みです。評価の観点は、主体的・協働的な学びの力、自らの人生や社会の未来を切り拓く力、そして各高校が独自に定める学校独自項目(設定している高校のみ)の3つに分かれています。

 

今日からできる、My Voiceのタネを見つける4ステップ

My Voiceでありのままの自分を自分の言葉で語るには、直前に回答を丸暗記するような対策はかえって逆効果です。日常の中でMy Voiceの素材となる自分だけのタネを、少しずつ見つけて蓄えていくことが最良の準備になります。ノート1冊で始められる4ステップをご紹介します。

ステップ①:自分の「行動」を書き出す

部活動、生徒会・委員会活動、学校行事、日々の勉強、学校外の地域活動や趣味など、時間を忘れて熱中したことや、継続して取り組んできたことをノートに書き出してみましょう。特別な実績である必要はありません。毎日欠かさず自主練習をした、授業のノートを工夫してまとめたなど、日常の行動で十分です。

ステップ②:心が動いた「瞬間」と「理由」を掘り下げる

書き出した行動の中で、心が大きく動いた瞬間を特定してください。試合で負けて悔しかったとき、友達と意見が対立して悩んだとき、ボランティアでありがとうと言われて嬉しかったときなど、プラスの感情だけでなく、マイナスの感情が動いた瞬間も貴重な材料です。なぜそのとき自分の心がそれほど動いたのか、理由を自分に問いかけてみてください。

ステップ③:「気づいたこと・学んだこと」を整理する

心が動いた経験を通して、自分自身について、あるいは他者との関わりについて新しく気づいたことや学んだことを言葉にしてみましょう。失敗を乗り越えるには事前の準備が不可欠だと気づいた、一人で抱え込まず仲間に頼る大切さを学んだなど、経験から得た学びを整理しておくと、これがMy Voiceの最も強い芯になります。

ステップ④:これからの「未来」に繋げる

最後に、その学びや気づきを、高校生活やその先の将来でどう活かしていきたいか想像してみてください。この部活動での挫折を活かして新たな勉強の壁にも諦めずに挑戦したい、将来地域の役に立つ仕事をするために高校のボランティア活動に積極的に参加したいなど、過去から未来へつながるストーリーを自分なりに紡いでみましょう。

 

まとめ

令和9年度から導入される埼玉県公立入試の全員面接とMy Voiceは、受検生を点数でふるい落とすための試験ではありません。これまでの自分の歩みを振り返り、自分自身の良さや可能性に気づき、高校生活という次のステージへ前向きな一歩を踏み出すための機会です。

完璧に整えられた言葉を暗記するのではなく、日常の中の気づきを大切にしながら、少しずつ自分の言葉を育てていってください。その準備の過程そのものが、高校入学後もあなたを支える力になっていきます。

入試情報勉強法
シェアする

コメント