埼玉県学校選択問題「英語」完全攻略|これを意識して勝つ!

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埼玉県公立高校入試の学校選択問題「英語」は、標準的な学力検査問題と比べて難易度が非常に高く、受検生の得点差が最も開きやすい教科の一つです。EduK編集長です。直近3年分(令和6年度〜令和8年度)の過去問を分析すると、学校選択問題の英語には合否を分ける3つの厚い壁があることがわかります。この記事では、その壁の正体と、時間配分のコツ、秋からのステップ別対策をお伝えします。

この記事のポイント

  • リスニング最後の記述問題は、標準問題より複雑な英文法での記述が求められる
  • 長文はテーマが専門的で、辞書なしで速く大意を掴む力が必要
  • 時間切れを防ぐには、設問の先読みと英作文の型の準備が鍵になる

学校選択問題「英語」の3大関門

門①:リスニング問題(大問1)における記述量と即時英作文

標準問題と学校選択問題で、大問1のリスニングは同じ放送音声を使用しており、配点も同じく28点です。ですが、問題用紙と解答用紙の設問形式には決定的な違いがあります。最後の設問(No.7)の記述問題を比べると、その差がよくわかります。

年度 学力検査問題(標準)のNo.7 学校選択問題のNo.7
令和8年度
⑴ They will open the restaurant( ).
⑵ They will use the vegetables that his grandparents( ).
⑶ Because he hopes the curry and dessert at the restaurant will be( ).
⑴ They will open the restaurant( ).
⑵ They will use the vegetables( )Taro’s grandparents.
⑶ By( )of the restaurant and dishes on the website.
令和7年度
⑴ She went there( ).
⑵ Because of her( ).
⑶ She will give her grandfather a( ).
⑴ She( ).
⑵ They had to move out because of( ).
⑶ It’s a watch her( ).
令和6年度
⑴ He left Aichi( )ago.
⑵ They will( )in the park.
⑶ Because she is going to look for some English books about( )in Japan.
⑴ He left Aichi( ).
⑵ She asked him( )have been friends.
⑶ Because the( )to buy are not sold in her city.

標準問題が比較的短い単語や単純なフレーズの穴埋めであるのに対し、学校選択問題では関係代名詞の省略や、動名詞・前置詞を伴う構文(By + ing など)といった、より正確で複雑な英文法を用いた記述が求められます。放送を聴きながら瞬時に適切な英文構成を頭の中で組み立て、正しい綴りで書き切る力がなければ、この大問1の最後で大きく失点してしまいます。

門②:圧倒的な総語数と専門的なテーマを扱うアカデミック長文

学校選択問題の長文読解(大問2・大問3)は、標準問題とは比較にならないほど文章が長く、テーマも専門的です。直近3年の後半の長文テーマを見てみましょう。

令和8年度の大問4は「地球沸騰化」がテーマでした。国連事務総長の発言をきっかけに、地球温暖化から地球沸騰化への移行、CO2排出量の削減、化石燃料に代わる太陽光・風力発電の利用といった高度な環境論が出題されています。令和7年度は「日本の割り箸と森林保護」がテーマで、割り箸の多くが海外からの輸入であることや、間伐の重要性、自給率の低下、気候変動への対処など、社会科の地理・公民ともつながる複雑な内容でした。令和6年度は「人工冬眠」がテーマで、変温動物や哺乳類の生態、代謝の低下、脳内の神経への刺激、酸素消費の減少など、理系アカデミックな語彙が並びました。

これらの英文を辞書なしで素早く大意把握し、さらに論理的な段落の並べ替えや、本文の内容に合う英文の選択(複数選択あり)を正確に解き進める力が求められます。

門③:社会的なテーマについて論理的に綴る自由英作文

試験の最後を締めくくるのは、配点10点の自由英作文(40語以上50語程度)です。標準問題に比べて、問いかけられるテーマの抽象度や社会性が非常に高くなっています。

年度 学力検査問題(標準)のテーマ 学校選択問題のテーマ
令和8年度
学校での勉強と自宅での動画学習、どちらが好きか(理由2文以上)
生徒自身が教室や廊下を掃除する日本独自の習慣についてどう思うか(40〜50語)
令和7年度
図書館に漫画本は置くべきか、置くべきではないか(理由2文以上)
将来、中古品を買う人は増えると思うか(40〜50語)
令和6年度
スポーツを観ることとすること、どちらが好きか(理由2文以上)
キャッシュレス決済をもっと利用すべきだと思うか(40〜50語)

自分の好みを答える標準問題に対して、学校選択問題では社会的な制度やトレンドに対する自分の見解を、論理的な一貫性とスペルミス・文法ミスのない英語で表現する構成力が必須になります。

 

時間が足りないを防ぐ、合格タイムマネジメント

時間を計りながら英語の長文問題に取り組む中学生の様子

解けばできるのに最後までたどり着かなかった。学校選択問題の英語で受検生が最も多く陥る失敗が、この時間切れです。試験時間50分をどう使い切るかが、合格を左右します。

理想的な時間配分(50分)

  • 大問1(リスニング):約12〜15分(固定)。放送終了後すぐに転記ミスがないか確認する
  • 大問2(対話文読解):約12分。会話の流れと登場人物の意見の対比を整理する
  • 大問3(論説文読解):約15分。段落ごとの要点をつかむパラグラフ・リーディングでスピードを維持する
  • 大問4(自由英作文):約8分。下書きに3分、清書に4分、見直しに1分

時間を捻出するための3つの鉄則

長文を読み始める前に、必ず設問に目を通してください。設問を頭に入れておくことで、答えが書かれている場所だけを探して精読でき、無駄な読み直しを大幅に減らせます。

自由英作文の下書きは骨組みだけに留めてください。下書き欄には主張と理由2つのキーワードだけを書き出し、実際の英文は解答用紙に直接書きながら微調整していきます。

わからない単語や文法に1分以上立ち止まらないでください。学校選択問題の長文には、わざと知らないような難単語が混ぜられています。前後の文脈や、However、For example、Thereforeといった論理のつなぎ言葉から、その単語がポジティブかネガティブかを推測し、立ち止まらずに読み進めましょう。

 

秋から始めるステップ別対策

ステップ1:秋(9月〜10月)|文法の完全自動化とテーマ別語彙の貯金

秋口は、英語の基礎筋力を限界まで高める時期です。関係代名詞、分詞の後置修飾、現在完了進行形、仮定法といった文法を、読めるだけでなく自力で正しく書けるレベルまで仕上げてください。単語帳は、英語を見て日本語にするだけでなく、日本語を見て英語の綴りを書ける練習も並行して行います。SDGsや環境問題、先端技術、地域活性化に関する時事的なキーワードをノートにまとめ、背景知識も一緒に蓄えておきましょう。

ステップ2:晩秋(11月)|長文のスピード訓練と英作文の必勝パターンの確立

11月は、スピードと英作文の安定感を養う時期です。学力検査問題(標準)の過去問を使い、筆記パート(大問2〜5)を制限時間のマイナス10分(約25〜30分)で満点が取れるよう速読の訓練を行います。自由英作文はマイテンプレートを完全に確立してください。例えば「I think〜. I have two reasons. First,〜. Second,〜. Therefore, I believe〜.」といった型を、どんなお題にも30秒で当てはめられるよう、週に2本以上のペースで書き、先生に添削してもらいましょう。

ステップ3:直前期(12月〜1月)|学校選択過去問での時間配分とリスニング転記訓練

冬以降は、本番を想定した実践演習を繰り返します。直近3年分の学校選択問題・英語の過去問を、本番と同じ時間帯、同じ制限時間(50分)で解いてください。リスニングNo.7の解答用紙への書き込みを、放送が流れている限られた時間内に正確に行う訓練も欠かせません。長文読解では、大問2・大問3のどちらで時間を使いすぎたかを毎回分析し、時間配分を微調整してください。英作文の10点を確実に守り切るために、大問3の最後の内容一致は時間をかけず直感でマークするといった、実戦的な取捨選択の判断力も磨いておきましょう。

 

まとめ|英語の学校選択問題で勝ち抜くために

埼玉県の学校選択問題「英語」は、単なる暗記科目ではありません。リスニングを聴きながら書く力、専門長文を速読する力、社会問題に英語で意見を述べる力という、実社会でも求められる生きた英語力が試されています。

秋からの正しいアプローチと、時間配分の戦術を身につけていけば、この壁は十分に越えられます。焦らず一つずつ積み上げて、志望校の合格をつかみ取りましょう。

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