- 埼玉県の公立高校入試は中1の通知表から合否判定の対象になる
- スタートダッシュとなる中1の1学期が、その後の学習意欲と内申基準を決める理由
- 提出物・忘れ物ゼロのしくみ化と定期テスト2週間前計画の具体策
- いまのお子さまの状況を客観的にチェックする基準と、中3の選択肢を広げる考え方
「高校受験はまだ中3になってから」――そう考えている中学1年生・保護者様は少なくありません。しかし埼玉県の公立高校入試では、中1の内申点も合否判定に関わってくることをご存じでしょうか。中1のうちから内申点は少しずつ積み上がっていき、後から挽回しようとしても限界があります。だからこそ、受験を意識し始めるのが早ければ早いほど、選べる高校の幅は広がります。この記事では、中1のうちに絶対に押さえておきたい内申点対策をわかりやすく解説します。
中学生活が始まって部活動や新しい環境に慣れるだけでも一苦労ですが、実はこの時期の小さな習慣が、2年後の志望校決定時に大きな違いを生み出します。まずは埼玉県の仕組みを知り、無理なく取り組める基本から整えていきましょう。
「受験はまだ先」と思っていませんか
小学校を卒業し、中学校に入学すると、新しい部活動や教科ごとの担任制、人間関係など、子どもたちを取り巻く環境は激変します。そのため「本格的な受験勉強は、部活動を引退する中3の夏から考えればよい」と感じてしまうのも無理はありません。
しかし、進路指導の現場で数多くの受験生を見てきて最も多く耳にするのが、「中1の頃にもっと通知表を気にしておけばよかった」という後悔の声です。

中3になってから偏差値を10上げることは可能ですが、すでに確定して調査書に記入された「中1・中2の内申点」を後から書き換えることは絶対にできません。高校受験というレースの号砲は、実は中学校の入学初日からすでに鳴っています。
埼玉県の内申点は中1から積み上がっていく
高校受験の仕組みは都道府県ごとに大きく異なります。例えば、東京都や神奈川県などのように「中2後半や中3の成績のみ」を合否判定に使用する地域もあります。しかし、埼玉県は全国的にも珍しい評価システムを採用しています。
中1・中2・中3の内申点の扱われ方
埼玉県公立高校入試では、中1・中2・中3すべての学年末評定(通知表の5段階評価)が調査書に記載され、合否判定の点数に直接加算されます。
主要5教科(英・数・国・理・社)だけでなく、実技4教科(音・美・保体・技家)も含めた9教科すべてが対象です。高校ごとの学年比率の一例は以下の通りです。
| 高校のタイプ | 配分比率(中1:中2:中3) | 内申点に対する考え方 |
|---|---|---|
| 標準的な公立高校 | 1 : 1 : 2 または 1 : 1 : 3 | 中3の比重が大きいものの、中1・中2の得点が全体の約25〜33%を占める |
| 上位進学校など | 1 : 1 : 2 または 1 : 2 : 4 | 僅差の勝負になるため、中1での内申点「1点」の差が当日の合否を分ける |
中3の内申点が重要なのは間違いありませんが、中1の成績もしっかりと全体の土台を支えています。中1で良い内申点を取っておくことは、将来の自分への大きな貯金になります。
中1の1学期がなぜ重要なのか
中1の1学期は、中学校生活の中で最も高得点が取りやすい時期です。学習内容も小学校の延長線上にあり、定期テストの難易度も比較的優しめに設定されています。
そしてもう一つ、指導現場の実感として大きな理由があります。それは「最初の通知表でお子さま自身の当たり前の基準が決まってしまう」ということです。最初に「4」や「5」を取った子どもは、次もそれを維持しようと自然に努力します。反対に、最初につまずいて「2」や「3」に甘んじてしまうと、「自分はこのくらいでいいや」と基準を下げてしまいがちです。最初のテストこそ、全力で高得点を狙いに行く価値があります。
中1のうちに内申点を落とさないための習慣
内申点は「テストの点数」だけで決まるわけではありません。観点別評価(知識・技能/思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度)に基づき、総合的に評価されます。日頃の生活の中で無理なく点数を落とさないための3つの習慣を身につけましょう。
定期テスト前の勉強計画の立て方
中学校の定期テストは、小学校のカラーテストのように「前日に少し見直せば満点が取れる」というものではありません。範囲が広く、ワーク(問題集)の提出も課されます。

- テスト2週間前:提出用ワークを開始。習った範囲からどんどん解き進め、テスト1週間前までに1周目を終わらせる
- テスト1週間前:間違えた問題の「解き直し(2周目)」に集中し、暗記項目を徹底的に覚える
- テスト3日前〜前日:もう一度間違えた問題だけを総復習し、不安な単元の穴を埋める
提出期限の前日に答えを丸写しして提出しても、子どもの知識として定着せず、テスト本番で点数を落としてしまいます。前もってワークを分割して進める計画性が重要です。
提出物・忘れ物を防ぐしくみづくり
内申点において、最ももったいない減点要因が「提出物の遅れ」と「忘れ物」です。テストで80点を取っていても、ワークを出さなかったり提出期限に遅れたりするだけで、評価が「4」から「3」へ簡単に下がってしまいます。
これは子どものやる気の問題というよりも「しくみ」で解決するのが確実です。
- 学校から配られたプリントは、専用の連絡ファイルに必ず挟む習慣をつける
- 翌日の持ち物準備は、当日の朝ではなく前日の夜、寝る前に完全に終わらせる
- 提出物の締切日をリビングのカレンダーやホワイトボードに書き出し、親子で共有する
感情的に叱るのではなく、忘れ物を防ぐルールをご家庭で一緒に整えてあげてください。
授業への取り組み方のコツ
授業態度の評価(主体的に学習に取り組む態度)で大切なのは、単に「静かに座っていること」ではありません。先生は「前向きに学ぼうとしている姿勢」を見ています。
無理に毎回手を挙げて発言する必要はありません。まずは以下の基本を徹底するだけで十分です。
- 先生が話しているときは、背筋を伸ばして先生の目を見て聞く(うなずきを入れる)
- 板書だけでなく、先生が口頭で補足した重要ポイントや気付きをノートの余白にメモする
- 授業の振り返りシートや感想欄がある場合は、空欄を作らず自分の言葉で具体的に書く
「今のままで大丈夫か」を確認するポイント
日頃の中学校生活で、お子さまの学習状況が順調かどうかを見極めるためのセルフチェック表です。ご家庭での見守りの指標として活用してください。
| チェック項目 | 確認したい状態 | 改善のためのアドバイス |
|---|---|---|
| 定期テストの点数 | 平均点以上をキープできているか(特に英数) | 英語・数学は一度つまずくと積み重なるため早めの復習が必要 |
| 提出物の提出状況 | 期限通りに、空欄なく丁寧に解いて提出できているか | 答え合わせと間違えた問題のやり直しまで丁寧に行う |
| 毎日の学習リズム | テスト前だけでなく、平日に机に向かう時間があるか | まずは1日30分、教科書の音読や学校の宿道から習慣づける |
もし気になる項目があれば、焦る必要はありません。気づいたその日から少しずつ軌道修正していけば十分間に合います。
まとめ:中1の積み重ねが中3の選択肢を広げる
中1の段階で「行きたい高校」が明確に決まっている子どもは、決して多くありません。それはごく自然なことです。将来の夢や志望校は、これからの中学生活のなかで少しずつ見つかっていきます。
しかし、いざ中3になって「この高校に行きたい!」という本命が見つかったとき、内申点が足りずに諦めざるを得ないことほど悔しい思いはありません。中1の内申点をしっかりと守り、積み上げておくことは、将来のお子さまが自由に高校を選べる「選択肢の自由」を守るための最大のプレゼントになります。
高校受験はもう始まっていますが、決して恐れる必要はありません。まずは今日の提出物を丁寧に仕上げること、そして次の定期テストに向けて机に向かう時間を作ること。その小さな一歩が、2年後の大きな合格へとつながっています。
中1の今だからこそできる準備を、今日から親子で一緒に一歩ずつ進めていきましょう!!



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