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学校選択問題って、普通の入試問題と何が違うの。難しそうだけど、うちの子は受けるべきなの。EduK編集長です。埼玉県公立高校入試の学校選択問題については、多くの受検生・保護者が最初にこうした疑問にぶつかります。この記事では、直近3年分(令和6年度〜令和8年度)の最新データをもとに、学校選択問題の基本の仕組み、標準問題との違い、目指す目安、そして合格までの年間スケジュールをまとめて解説します。
この記事のポイント
- 学校選択問題は数学と英語のみで、国語・社会・理科は全員共通問題を受ける
- 問題は難しいのに、平均点は標準問題より高くなる年度が多いという現象がある
- 目指すべきは満点ではなく、基本問題の確実な得点と部分点の積み上げ
学校選択問題とは何か、基本の仕組み
埼玉県公立高校入試の学力検査は、通常はすべての高校で同じ共通問題(この記事では学力検査問題と呼びます)が使用されます。ただし、県内トップレベルの一部の高校では、受検生の学力をより正確に測るため、一部教科で難易度の高い独自問題を使う仕組みがあります。これが学校選択問題です。
対象になるのは数学と英語の2教科のみで、国語・社会・理科の3教科は、学校選択問題を採用している高校であっても全員が学力検査問題(共通)を受けます。試験時間はどちらも50分、配点も各教科100点満点で共通です。
埼玉県教育委員会からは、令和9年度入試において学校選択問題を実施する23の公立高校(すべて全日制課程)が発表されています。
| 地区 | 実施高校名 |
|---|---|
| さいたま市・南部 | 浦和、浦和第一女子、浦和西、大宮、川口北、蕨、さいたま市立浦和、さいたま市立浦和南、川口市立 |
| 西部 | 川越、川越女子、川越南、所沢、所沢北、和光国際 |
| 東部 | 春日部、越ケ谷、越谷北、不動岡 |
| 北部・西部(奥) | 熊谷、熊谷女子、熊谷西、さいたま市立大宮北 |
実施校は年度によって変更される可能性があるため、最新情報は必ず埼玉県教育委員会の公表資料でご確認ください。
学力検査問題との3つの決定的な違い

難易度と作成基準が違う
学力検査問題(標準)は、中学校の教科書内容が定着しているかを測る問題で、基礎的な知識と計算力があれば高得点を狙える設計になっています。一方、学校選択問題は、暗記や典型パターンの演習だけでは太刀打ちできない、高い論理的思考力とその場での分析力、複雑な処理を速く行う力が試されます。高校入学後の高度な学習にスムーズについていけるかを見極める内容になっています。
平均点の推移という不思議な現象
問題が難しいなら平均点はものすごく低いのではと思われるかもしれませんが、実はそう単純ではありません。直近3年分の全日制課程における受検者平均点を比べてみましょう。
| 年度 | 教科 | 学力検査問題平均点 | 学校選択問題平均点 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 数学 | 50.4点 | 57.3点 |
| 令和8年度 | 英語 | 52.1点 | 61.2点 |
| 令和7年度 | 数学 | 52.3点 | 44.8点 |
| 令和7年度 | 英語 | 43.6点 | 57.0点 |
| 令和6年度 | 数学 | 51.7点 | 50.2点 |
| 令和6年度 | 英語 | 53.4点 | 54.8点 |
このデータを見ると、学校選択問題の平均点の方が標準問題より高くなっている年度が多いことに気づくはずです。これは、学校選択問題を受験している生徒がもともと高い学力を持った層に絞られているためです。優秀な生徒が集まるぶん、問題自体は格段に難しくても平均点は高く保たれます。ただし令和7年度の数学のように、平均点が44.8点まで下がる年度もあり、ひとたび難化すると上位層でも得点をもぎ取るのが難しい激戦になることがわかります。
出題構成と配点の比率が違う
数学は、標準問題の大問1が65点分の配点であるのに対し、学校選択問題の大問1は45点分に抑えられ、その分1問ごとの難易度が高くなっています。さらに最後には、標準問題には存在しない完全オリジナルの大問(三平方の定理を用いた空間図形など)が出題され、部分点を粘り強く確保する力が求められます。数学の詳しい出題分析と対策は、以下の記事で詳しくまとめています。
英語は、リスニング(大問1)の記述量が標準問題より格段に多く、関係代名詞の省略や動名詞を伴う表現を自力で正しく書き出す高度な記述(No.7)が課されます。長文(大問2・3)は総語数が多く、地球沸騰化や人工冬眠のメカニズムといったアカデミックなテーマが扱われ、自由英作文でも社会的なトピックに対する意見を論理的に述べる力が求められます。英語の詳しい出題分析と対策は、以下の記事で詳しくまとめています。
目指す目安と心構え
目指す偏差値帯の目安
学校選択問題を採用している23校を志望する場合、北辰テストなどにおける偏差値の目安は次のとおりです。浦和・浦和第一女子・大宮・川越・春日部といった超難関・トップ校であれば、目標偏差値は65〜70以上が目安で、学校選択問題の数学・英語で安定して7〜8割以上の得点が必要になります。浦和西・不動岡・所沢北・越谷北・川口市立といった難関・人気上位校であれば、目標偏差値は60〜64が目安で、学校選択問題では5〜6割(平均点付近)を確実に死守しつつ、共通3教科で高得点を稼いでカバーする戦略が現実的です。
受検生に求められる心構え
学校選択問題に挑む上で最も大切な心構えは、満点を目指して焦らないことです。数学や英語が得意な生徒ほど、本番で解けない問題に出会うと焦ってパニックになりがちです。しかし学校選択問題は、全員が解ける基本問題と、ほとんどの受検生が解けない超難問がはっきり分かれています。合格に必要なのは超難問を解くひらめきではなく、誰もが解ける基本・標準問題で確実にミスをしないこと、そして記述や証明問題でわかるところまで論理的に書いて部分点を1点でも多くもぎ取ることです。この地道な減点を防ぐ解き方を、しっかり身につけておく必要があります。
秋から始める対策スケジュール
ステップ1:秋(9月〜10月)|学力検査問題(標準)の完全制覇
まずはすべての土台となる基礎・標準レベルの穴を完全に塞ぎます。数学は、学力検査問題の過去問を解き、常に90点以上を取れる計算力と典型解法の定着を目指してください。2次方程式の計算、変化の割合、関数の基本、三角形の合同証明の基本パターンを無意識に解けるレベルまで自動化しましょう。英語は、中学3年間の全文法、特に関係代名詞・分詞の後置修飾・現在完了進行形・仮定法を、長文の中でスムーズに訳せるようにします。英単語のスペルを正確に書く練習もここから始めてください。
ステップ2:晩秋(11月)|学校選択専用問題への適応と記述の型作り
11月からは、学校選択問題特有の形式に体を慣らしていきます。数学は、過去問から学校選択問題の大問1だけを抜き出して徹底演習し、ひねられた計算問題や式の代入問題に慣れてください。作図と相似証明の書き方も、毎日1問解いて先生に添削してもらいましょう。英語は、自由英作文のマイテンプレートを確立し、標準長文を制限時間のマイナス10分で読む速読訓練を行い、処理スピードを学校選択レベルへ引き上げます。
ステップ3:冬〜直前期(12月〜1月)|50分間の過去問実践と戦略的撤退の訓練
最後は、本番を完全に想定したシミュレーションです。直近3年分の学校選択問題の過去問を、本番と同じ制限時間(50分)で解き、大問1を何分で終わらせるか、証明・作図に何分かけるかというタイムマネジメントを体で覚えてください。問題用紙を開いた瞬間に全体を見渡し、時間がかかりそうな問題は後回しにする、あるいは部分点狙いに切り替えるという戦略的撤退の判断力も、この時期に養っておきましょう。
まとめ
埼玉県公立高校入試の学校選択問題は、確かに難関です。ですがこの問題は、受検生を苦しめるためのものではなく、高校に入ってから伸びる論理的思考力を持っているかを問う、よく練られた問題です。
難問だからこそ、基本の徹底と正しいタイムマネジメント、それに応じた対策を行えば、ライバルに差をつける最大のチャンスになります。難しいからと諦めず、今日から一歩ずつ、志望校合格に向けて進んでいきましょう。



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